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梅        毒
「Treponema pallidum」

@ 梅毒はどんな病気?

梅毒は細長いラセン型の細菌で、スピロヘータの一種です。大きさは10の-2乗mmと細菌としては大きく、活発な錐もみ様の回転運動を行います。30〜33時間で横断分裂して増殖し、悪環境下では、シスト形のものが出現しますが最適な環境下で復元すると考えられています。
梅毒は、人で増殖するほかに、ウサギの睾丸に接種することで増殖させることに成功しています。しかし、試験管内での増殖は成功していないため、病原性の機構は殆ど解明されていません。梅毒は、高温、低温、乾燥にも弱く簡単に死滅し、石鹸水などでも簡単に死滅することが知られています。

A 1970年の1/10に減少

1860年の長崎で船体修理の為に入港したロシア水兵を遊女が慰安することになった際、ロシア船艦長の申し入れにより梅毒の検査を行ったのが日本で最初の梅毒検査として記録されています。
明治、大正になると徴兵時の検査に性病検査が行われるようになり、20歳の男子について統計がとられるようになりました。

戦前は多数の感染者が存在したが、戦後はペニシリンの登場によって感染者は減少しはじめました。
また、梅毒にも流行周期があるようで20年周期でピークを示すことがわかるようになったのもペニシリンの恩恵といえます。現在、医学の進歩から1970年に6,000件報告されていた患者数は、2001年の報告累計では567件と1/10にまで減少しています。

B どのような症状があらわれるの?

梅毒は症状によって1期から4期まで区分されてきましたが、現在ではそれほど医学的な意味はありません。また、医学の進歩から、近年では3,4期の梅毒に罹ることはほとんどありません。

1期梅毒
感染して3週間程度で感染部位に赤色をしたしこりのような初期硬結が発症します。その後、初期硬結を中心に潰瘍を形成して周囲が硬く盛りあがる硬性下疳(コウセイカゲン)になります。また、しばらくすると、股の部分のリンパ節の腫脹を併発することが一般的です。この段階では痛みを伴はないため、自覚症状に欠けることが多く、特に女性の場合では2期梅毒の症状になるまで気づかない人も少なくありません。
最近では、初期硬結が複数できる症例が多く、また、潰瘍になりやすい傾向にあります。

2期梅毒
感染後3カ月頃から梅毒が全身に広がり、梅毒性バラ疹とよばれる直径約1cm大の楕円形の淡紅色、または紅色斑が体中にできます。また、丘疹性梅毒疹と呼ばれる小豆大のブツブツが顔、体、四肢に多発します。他には、扁平コンジローマ、口腔内特に咽頭部に発症しやすい粘膜疹、梅毒性脱毛が起こる可能性があります。

3,4期梅毒
感染後3年〜10年までを示し、2期に生じた皮疹は自然に消失し、梅毒が潜伏したままこの症期に達します。
中枢神経系にまで病気が進行しているため、脳神経、脊髄の障害をきたす急性梅毒髄膜炎、進行性麻痺、脊髄癆を引き起こすこともあります。また、代表的な症状としてゴム腫と呼ばれるゴムのような硬さの皮膚結節があります。この結節は次第に大きくなるとともに中央に潰瘍が生じ、皮下組織から筋層へ、さらに骨にまで及びます。無治療のまま、この症期に達した人の1/3がこのゴム腫を発症します。

潜伏梅毒
梅毒に感染していますが無症状のまま。潜伏梅毒は時に第2期症状の再発を起こしますが、その殆どが1年以内であるため、その時期を特に前期潜伏梅毒、1年以降を後期潜伏梅毒として区別することが多いです。

C どのようにして感染するの?

梅毒のの多くは、菌を排出している感染者との性行為によって感染します。梅毒は粘膜や皮膚の微小な傷口から侵入し、感染して3週間程度で感染部位に軟膏様硬結が発症します。ただし、この段階では自覚症状を欠くことが多いです。感染後2年位までの感染力が強く、この時期の感染者は自覚症状の有無をを問わず、性行為によって相手を感染させる可能性が非常に高くなっています。2年を過ぎる頃になるとそれ以後の感染力は大幅に低下します。
母子感染では、胎盤を介して胎児に感染することが考えられます。また、親の口腔粘膜疹から幼児が感染する場合もあります。

D 母子感染はするの?

妊娠初期の妊婦が梅毒に感染すると、流産になりやすく、出生したとしても、胎盤を介して直接胎児に感染する胎内感染が起こるため、先天梅毒児として生まれる傾向にあります。


先天梅毒の症状
〜0歳で発症
早産、死産、母体内死亡が多い。
皮膚が汚ワイで皺が多い。
肝脾腫、梅毒性軟骨炎を引き起こすことが多い。
0〜2歳で発症
出産時には外見が正常であるが数週間後に発病。
肝脾腫、骨軟骨炎症、貧血、神経梅毒症状を引き起こすことが多い。
2歳以降で発症
ハッチンソン3徴候(実質性角膜炎、ハッチンソン歯、内耳性難聴)、リンパ腺症、肝脾腫、コンジローマ、ゴム腫、貧血、回帰性関節症、神経梅毒症状を引き起こすことが多い。

E どのような検査をするの?

梅毒感染の初期症状である皮膚の変化から梅毒の疑いが高い場合は、患部をマッサージ゙して出てくる刺激漿液を検体とし、パカインキで染色して梅毒を見つけるための顕微鏡観察を行います。
近年では、症状として現れない潜伏梅毒が多いことから、抗体を検査する梅毒血清反応検査を用いることが多くなっています。

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