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重要な副作用等に関する情報

医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.190)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化マグネシウム・塩化カルシウム・炭酸水素ナトリウム
■販売名(会社名) ミオテクター(小林製薬工業)
■薬効分類等 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
■効能効果 低体温体外循環下,大動脈を遮断し実施される心臓外科手術における,心停止及び心筋保護
使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[相互作用(併用注意)] カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン,カンレノ酸カリウム,トリアムテレン等),カリウム製剤
[副作用(重大な副作用)] 心室細動,心室頻拍,心室性期外収縮,完全房室ブロック:大動脈遮断解除後に心室細動,心室頻拍,心室性期外収縮,完全房室ブロックがあらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には除細動装置,ペースメーカーを使用するなど適切な処置を行うこと。
高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
症例の概要
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
冠動脈狭窄症に対する心臓手術の心停止及び心筋保護
(糖尿病,閉塞性動脈硬化症,脳梗塞後遺症,慢性腎不全)
900mL
1日間
高カリウム血症
投 与 日 冠動脈狭窄症(2枝)に対し,本剤を初回単独使用。2回目及び3回目はL-アスパラギン酸カリウムを用いたcold blood cardioplegia(冷却血液加心筋保護法)(ともに液温5℃)で,冠動脈バイパス術(バイパス本数:2本)を施行(大動脈遮断時間:94分)。
体外循環中 血清K値が6.4mEq/Lまで上昇。
大動脈遮断解除時 心停止の危険性があるため,補助循環を続けつつGI(グルコース+インスリン)療法を行い,さらにフロセミド10mgを4回静注投与。
手術終了時 術前からあったST-T,wide QRSの心電図異常に加え,上室性頻拍発生。
大動脈遮断解除
1時間後
血清K値は5.8mEq/Lまで低下し,体外循環を離脱。
大動脈遮断解除
2時間後
血清K値は5.1mEq/Lまで低下。
終了2日後 上室性頻拍消失。
企業報告
臨床検査値
  
投与直前
(投与時)
体外循環中
終了
1時間後
終了
2時間後
終了
1日後
終了
3日後
終了
6日後
終了
13日後
K(mEq/L)
5.0
6.4
5.8
5.1
4.9
4.4
3.3
4.5
BUN(mg/dL)
33
32
32
44
48
クレアチン(mg/dL)
2.0
2.3
2.3
2.3
2.6
併用薬:L-アスパラギン酸カリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,グルコン酸カルシウム,炭酸水素ナトリウム,塩酸ドパミン,塩酸ドブタミン,ニトログリセリン,硝酸イソソルビド,アルプロスタジル,塩酸リドカイン,フロセミド,D-マンニトール,生理食塩液,リンゲル液,ブドウ糖,ヒトインスリン,ヘパリンナトリウム,硝酸プロタミン,クエン酸フェンタニル,プロポフォール,トラネキサム酸,カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム,ヘモコアグラーゼ,加熱人血漿たん白,人赤血球濃厚液,硫酸アミカシン,フロモキセフナトリウム,ジゴキシン,ファモチジン,塩酸チクロピジン,塩酸チアプリド,塩酸フェニレフリン
【2】 塩酸アマンタジン
・販売名(会社名) アテネジン細粒,同50,同100(鶴原製薬)
アマゾロン細粒,同錠50,同錠100(沢井製薬)
グランザート細粒10%(シー・エイチ・オー新薬)
シキタン,同100(全星薬品工業)
シンメトレル細粒,同錠50mg,同錠100mg(日本チバガイギー)
トーファルミン細粒,同錠50,同錠100(東洋ファルマー)
ボイダン,同散,同D(イセイ)
ルシトン細粒,同錠(辰巳化学)
ロティファミン錠100(大洋薬品工業)

・薬効分類等 抗パーキンソン剤

・効能効果 (1)パーキンソン症候群
(2)脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善(ルシトン,ロティファミンを除く)
(3)A型インフルエンザウイルス感染症(シンメトレルのみ)

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
症例の概要
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
10歳
未満
インフルエンザ,急性肺炎
(熱性痙攣)
50mg
3日間
中毒性表皮壊死融解症
投与7日前 発熱,熱性痙攣で近医受診。
投与5日前 発熱継続,咳嗽激しく急性肺炎で紹介入院。インフルエンザ陽性。ピペラシリンナトリウム,塩酸プロカテロール,カルボシステイン,塩化リゾチーム,テオフィリン投与開始。
投与開始日 本剤50mg,セフメタゾールナトリウムの投与を開始した。
投与3日目
(投与中止日)
解熱した。足に発疹出現。本剤の投与を中止。
中止1日後 発疹は淡紅色で,足から体幹へ拡大した。
中止2日後 発疹は全身に暗紅色となり,中毒疹と診断された。顔面,四肢に小水疱,発熱がみられた。全薬剤投与中止。
中止3日後 体幹まで水疱拡大,結膜炎,口唇病変出現,スティーブンス・ジョンソン症候群と診断。皮疹は頭部を除く全身に小豆大融合局面形成した紅斑,水疱を認めた。粘膜疹は口腔,陰部にも認め,結膜充血あり,ニコルスキー現象陽性。腹部皮膚生検により表皮下水疱,表皮壊死像を認めた。
中止4日後 中毒性表皮壊死症の診断でステロイドパルス療法,新鮮凍結血漿,γグロブリンが開始された。皮膚科で塩酸テトラサイクリン軟膏を全身に外用し,連日処置を行った。眼科にて角膜びらんを指摘された。
中止5日後 水疱の拡大は止まったが,びらん面は体表面積の約90%に及んだ。
紅斑は持続,表皮化は外用剤を数種変更しても遅延した。
中止28日後 肝機能障害出現。
中止29日後 ナファモスタット,乾燥濃縮人アンチトロンビンIII及び輸血を開始。
腎機能障害出現。
中止33日後 易出血性,血疱を認めた。腹部,上腕の紅斑部より再度皮膚生検を施行。表皮再生は認めなかった。突然呼吸停止,蘇生術に反応せず死亡。
剖検:なし。
〈DLST結果〉
本剤,ピペラシリンナトリウム,セフメタゾールナトリウム,カルボシステイン,塩化リゾチーム,塩酸プロカテロール,テオフィリン,いずれも陰性。
臨床検査値
  
投与5日前
中止4日後
中止10日後
中止25日後
中止33日後
赤血球数(×104/mm3
403
443
376
309
197
ヘモグロビン(g/dL)
10.2
12.0
10.3
8.0
5.5
白血球数(/mm3
4900
3600
6800
12600
47700
好中球(%)
11.5
67
60
61
好酸球(%)
0
0
0
0
好塩基球(%)
0.5
0
0
0
単球(%)
2.0
5
3
3
リンパ球(%)
86.0
28
36
36
血小板数(×104/mm3
11.2
27.0
31.8
0.9
2.9
AST(GOT)(IU/L)
55
47
20
460
185
ALT(GPT)(IU/L)
32
21
8
270
102
Al-P(IU/L)
486
586
300
523
LDH(IU/L)
674
647
879
総ビリルビン(mg/dL)
0.3
2.5
3.4
BUN(mg/dL)
6.1
5
7
20
24
クレアチン(mg/dL)
0.4
0.3
0.3
1.0
0.8
K(mEq/L)
4.1
3.9
4.2
3.7
Na(mEq/L)
142
尿量(mL/24h)
1021
1020
794
pH
7.421
7.499
7.206
7.361
総蛋白(g/dL)
5.4
5.3
3.9
5.0
CRP(mg/dL)
0.2
1.5
5.2
併用薬:ピペラシリンナトリウム,セフメタゾールナトリウム,カルボシステイン,塩化リゾチーム,アセトアミノフェン,塩酸プロカテロール,テオフィリン

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
10歳
未満
インフルエンザ,上気道炎,細菌感染疑い 80mg
3日間
スティーブンス・ジョンソン症候群
投与1日前 夜間,39℃台の発熱,感冒症状を認めた。
投与開始日 近医受診。上気道炎,インフルエンザ疑いで本剤,クラリスロマイシン,非ピリン系感冒剤を投与。
投与2日目 顔面,体幹に紅斑出現。
投与3日目
(投与中止日)
すべての薬剤の投与を中止。
中止1日後 紅斑が拡大したため,当院入院。入院後,セフトリアキソンナトリウム点滴静注。塩酸シプロヘプタジン,カルボシステイン,臭化水素酸フェノテロールの内服を開始。
中止3日後 全身発赤,浮腫,水疱形成,表皮剥離,粘膜充血が出現。びらん面に対し,ポビドンヨード消毒,吉草酸ベタメタゾン軟膏,硫酸ゲンタマイシン軟膏,ジメチルイソプロピルアズレン軟膏を塗布。
中止5日後 セフトリアキソンナトリウム投与中止。
中止6日後 全身発赤軽減し,表皮剥離が進行。粘膜充血は軽快。
中止12日後 皮膚所見は改善し(色素沈着は残存),退院。
〈DLST結果〉
本剤,クラリスロマイシンは陰性,セフトリアキソンナトリウムは陽性。
臨床検査値
  
中止2日後
中止5日後
中止12日後
赤血球数(×104/mm3
497
441
461
ヘモグロビン(g/dL)
13.5
11.9
12.9
白血球数(/mm3
2910
2440
4710
好中球(%)
84.5
49.5
24.0
好酸球(%)
0
0
5.0
好塩基球(%)
0
0.5
1.0
単球(%)
0.5
3.0
7.0
リンパ球(%)
13.5
43.5
59.0
血小板数(×104/mm3
14.1
21.4
67.3
AST(GOT)(IU/L)
89
360
64
ALT(GPT)(IU/L)
39
198
144
総ビリルビン(mg/dL)
0.56
0.21
0.35
CRP(mg/dL)
5.1
0.7
0.4以下
総蛋白(g/dL)
6.1
5.3
7.1
アルブミン(g/dL)
3.1
3.1
4.3
LDH(IU/L)
910
847
284
併用薬:クラリスロマイシン,セフトリアキソンナトリウム,カルボシステイン,非ピリン系感冒剤,塩酸シプロヘプタジン,臭化水素酸フェノテロール

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
60代
パーキンソン症候群
(アルツハイマー病,十二指腸潰瘍)
200mg
4日間
皮膚粘膜眼症候群
投与約5ヵ月前 嘔気,嘔吐で受診。無表情,無動,小刻み歩行,すくみ足,鉛管現象等を認める。知能低下あり。胃カメラで十二指腸潰瘍と診断し,抗潰瘍療法施行,全身状態改善傾向。
投与開始日 本剤200mgの投与を開始。
投与4日目
(投与中止日)
顔面,前胸部,両前腕,両下腿,陰部に発赤疹出現。発赤あり。
グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤を静注。本剤投与中止。
中止1日後 皮疹増強,プレドニゾロン20mg投与。CRP:7.5mg/dL,AST(GOT):12IU/L,ALT(GPT):16IU/L,体温:37〜37.5℃。
中止2日後 結膜充血認めるも眼科的に所見なく,予防的にステロイド点眼。
中止3日後 口唇部の発赤は痂皮形成。
中止4日後 手掌,背部,肩部の皮疹は水疱形成。
中止7日後 下肢から大腿に直径1〜2cm大の円形発赤疹が多数出現,癒合傾向。
中止9日後 口唇部粘膜は軽快,痛み改善。以後,徐々に発赤は退色傾向。そう痒感(−)。
中止32日後 AST(GOT):107IU/L,ALT(GPT):132IU/L,γ-GTP:67IU/Lと上昇。
中止77日後 前胸部,大腿から下腿に茶褐色の皮疹残存。その後回復。
臨床検査値
  
投与
2日前
中止
1日後
中止
4日後
中止
7日後
中止
14日後
中止
32日後
中止
43日後
中止
56日後
総蛋白(g/dL)
7.1
6.5
5.8
5.9
5.9
5.3
5.6
AST(GOT)(IU/L)
16
12
16
22
20
107
49
23
ALT(GPT)(IU/L)
24
16
26
49
37
132
79
39
Al-P(IU/L)
105
111
118
143
237
181
131
γ-GTP(IU/L)
5
15
19
28
67
44
36
LDH(IU/L)
309
313
256
280
355
308
314
CRP(mg/dL)
0
7.5
12.8
6.6
4.5
2.4
1.0
0.1
併用薬:塩酸ロキサチジンアセタート,ジサイクロミン・水酸化アルミニウム配合剤,膵臓性消化酵素配合剤,アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン
【3】 ザフィルルカスト
■販売名(会社名) アコレート錠20mg,同錠40mg(アストラゼネカ)
■薬効分類等 その他のアレルギー用薬
■効能効果 気管支喘息
使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本的注意] 本剤投与により,劇症肝炎を含む重篤な肝機能障害があらわれることがあるので,定期的な肝機能検査を実施するなど,観察を十分に行うこと。また,投与にあたっては患者に当該副作用について十分な説明を行うとともに,症状がみられた場合には本剤の服用を中止し速やかに診察を受けるよう指導すること。
[副作用(重大な副作用)] 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあり,肝不全や死亡に至ったとの報告もあるので,定期的な肝機能検査を実施するなど,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
好酸球性肺炎:好酸球性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増加等の症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
症例の概要
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
40代
気管支喘息
(十二指腸潰瘍,逆流性食道炎,胃炎)
40mg
120日間
劇症肝炎
投与開始日 気管支喘息に対して本剤投与開始。
投与約90日目 腹痛,嘔気が出現。
投与120日目
(投与中止日)
嘔吐,腹痛,上腹部圧痛と黄疸を認め,本剤投与中止。
中止1日後 重症肝炎と診断。潰瘍に対してファモチジン錠,アルギン酸ナトリウムを処方し,肝炎に対しては薬剤性も考えられたため,本剤を含め,ツロブテロール,クエン酸モサプリドを以後処方せず。グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤の投与開始。
中止4日後 手指の振戦,嘔気再発。テオフィリン中止。意識レベル変化なし。A,B,C型肝炎ウイルス陰性,抗核抗体陰性。
中止5日後 コハク酸プレドニゾロンナトリウム40mg使用(3日間)。
中止11日後 総ビリルビンが30mg/dL以上となり,PT24.6秒,APTT53.9秒と出血傾向を呈した。コハク酸プレドニゾロンナトリウム40mg投与再開し,新鮮凍結血漿の輸血実施。
中止13日後 意識レベル低下。肝性脳症II度と診断。肝不全用アミノ酸製剤500mL点滴開始。
中止14日後 意識レベルはやや回復。
中止15日後 AST(GOT),ALT(GPT),LDH等は著明に低下。血小板8.3万,PT40秒と出血傾向が進行した。
中止16日後 未明から血圧低下,大量吐血。気管内挿管し,救命を試みるも永眠。死因:劇症肝炎による肝不全。
臨床検査値
  
中止
1日後
中止
4日後
中止
5日後
中止
7日後
中止
11日後
中止
15日後
血小板数(×104/mm3
22.7
21.8
20.6
20.3
13.3
8.3
PT(秒)
18.3
20.1
24.6
40.0
APTT(秒)
43.8
49.8
53.9
59.8
総蛋白(g/dL)
6.2
AST(GOT)(IU/L)
1683
1866
1771
1433
1101
645
ALT(GPT)(IU/L)
2546
2463
2182
1810
1448
957
LDH(IU/L)
1039
996
875
845
946
986
Al-P(IU/L)
504
568
505
598
474
γ-GTP(IU/L)
565
481
409
345
140
総ビリルビン(mg/dL)
7.3
16.3
17.9
20.4
31.2
31.6
直接ビリルビン(mg/dL)
6.1
14.7
16.1
18.7
28.9
28.1
CRP(mg/dL)
1.3
1.3
1.1
血中アンモニア(μg/dL)
146
137
103
157
ヘパプラスチンテスト(%)
36
28
18
10
併用薬:ツロブテロール,クエン酸モサプリド,塩酸プロカテロール,テオフィリン,テプレノン

厚生労働省引用

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