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(2)症例の紹介

 報告された間質性肺炎の発症症例のうち3例を表1に紹介する。
表1 症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
50代
感冒
(なし)
3包
3〜4週間
薬剤性肺炎
投与開始日 発熱(軽熱),頭痛出現。本剤内服開始。頭痛時にアスピリン・ダイアルミネートを頓用。
投与1〜2週間後 頭痛は消失したものの,高熱,倦怠感,乾性咳嗽が出現。本剤を内服し続けたが,症状は増悪。
投与3〜4週間後
(投与中止日)
A院受診。胸部異常陰影を指摘され,同日B病院へ紹介入院。胸部X-P及び胸部CTで右上葉にconsolidationとその周囲の浸潤影を認めた。また白血球が11600/mm3(好中球79%,リンパ球15%,単球5%,好酸球1%),CRPが17.9mg/dL(6+)と高値であった。薬剤性肺炎の可能性を考えて,入院時に本剤を中止した。
中止3日後 解熱傾向。CRP14.3mg/dL(5+),胸部X-Pは改善せず。末梢血リンパ球を用いDLST施行。
中止4日後 気管支鏡施行。細菌性肺炎を示唆するような膿性痰を認めず。TBLBで器質化肺炎像を認める。同日よりメチルプレドニゾロン125mgを3日間投与。
中止6日後 気管支鏡再検。BALF中にリンパ球増多。細菌培養検査結果は陰性。
中止7日後 メチルプレドニゾロン500mgを3日間投与。
中止10日後 症状著明改善。CRP陰性化。胸部X-Pでは浸潤影は完全に消失。しかし,consolidationは残存し,内部が空洞化。DLST陽性(376%)。
中止13日後 再度発熱。湿性咳嗽,膿性痰出現。プレドニゾロン30mg開始。
中止18日後 症状改善せず,C病院に転入院。
中止20日後 メチルプレドニゾロン500mgを3日間投与。解熱がみられたが一時的で,胸部陰影は改善せず,内部の空洞は拡大していった。
中止30日後 気管支鏡。brushingの培養でBacteroidesを検出。
中止41日後 薬剤性肺炎の病巣内に細菌感染を来したことによる肺膿瘍と考え,メロペネム三水和物1000mgの投与を開始し,奏効した。
中止56日後 メロペネム三水和物をファロペネムナトリウム600mgに変更。
中止66日後 CRP陰性化。胸部X-Pでは右肺に薄壁空洞のみ残存。
中止68日後 軽快退院。
企業報告
併用薬:アスピリン・ダイアルミネート

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
60代
感冒
(高脂血症,緑内障)
9錠(頓服)
投与期間不明
BOOP
      軽度の咽頭痛があり,時折本剤を服用していた。
発 現 日 感冒様症状が増悪したため,近医を受診。胸部X線にて両下肺に浸潤影を認めたため,抗生剤による治療を開始。
発現20日目 抗生剤の投与にもかかわらず症状に改善なく,画像所見上悪化が認められた。
発現62日目 他院を紹介受診。
発現69日目 精査加療を目的として呼吸器内科へ入院。
発現76日目 経気管支肺生検にて,Masson体を伴った肺胞炎が認められた。生検結果及び画像所見からBOOPとの確定診断を得たが,フィブリン析出や好酸球,好中球を認め,特発性よりはむしろ続発性のものが疑われた。また,本剤のDLST結果は陽性であった。
発現83日目 ステロイドパルス療法開始。
発現86日目 ステロイドを経口投与に変更。その後画像所見は改善。炎症反応も陰性化。
発現108日目 退院。外来での治療を継続。
企業報告
臨床検査値
  
発現69日目
発現77日目
発現83日目
発現90日目
発現97日目
発現104日目
白血球数(/mm3
9400
11700
9700
9100
10800
10800
赤血球数(×104/mm3
395
382
377
404
433
421
ヘモグロビン(g/dL)
12.2
11.5
11.4
12.2
13.5
13.2
ヘマトクリット(%)
36.3
34.7
34.6
37.4
40.4
39.6
血小板数(×104/mm3
30.1
30.2
28.1
28.0
21.2
15.6
好中球(%)
80.3
74.8
67.7
67.1
70.1
好酸球(%)
3.7
5.4
0.9
0.5
0.8
好塩基球(%)
0.2
0.7
0.2
0.4
0.3
単球(%)
4.5
3.2
4.9
5.6
4.1
リンパ球(%)
11.2
15.0
26.3
26.4
24.7
CRP(mg/dL)
3.8
12.6
4.6
0.2
<0.1
0.1
総蛋白(g/dL)
7.7
7.2
7.3
アルブミン(g/dL)
3.3
3.2
2.9
3.4
3.5
BUN(mg/dL)
17
16
16
20
22
17
血清クレアチン(mg/dL)
0.90
0.92
0.80
0.87
0.95
0.82
血清尿酸(mg/dL)
8.1
7.2
総ビリルビン(mg/dL)
0.43
0.57
0.27
0.37
0.46
0.51
直接ビリルビン(mg/dL)
0.04
Al-P(IU/L)
181
AST(S-GOT)(IU/L)
17
15
23
12
12
12
ALT(S-GPT)(IU/L)
16
12
37
14
15
16
LDH(IU/L)
317
251
268
224
235
244
コリンエステラーゼ(IU/L)
303
γ-GTP(IU/L)
30
アミラーゼ(U/L)
150
Na(mEq/L)
140
139
142
141
140
140
K(mEq/L)
3.9
3.7
3.7
3.6
3.6
3.8
Cl(mEq/L)
105
101
107
104
103
105
Ca(mg/dL)
8.9
9.0
P(mg/dL)
3.0
2.9
血糖(空腹時)(mg/dL)
83
152
83
80
78
総コレステロール(mg/dL)
222
222
中性脂肪(mg/dL)
128
128
併用薬:フルバスタチンナトリウム

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
60代
感冒
(なし)
2錠
1日
薬剤性肺障害,発疹
投 与 日
(投与中止日)
朝,悪寒があったため一般用かぜ薬を3錠服用。13時,本剤を2錠服用。夕,一般用解熱鎮痛剤2錠を服用後,全身に発疹が出現。
中止2日後 近医を受診し,薬疹の疑いで入院。
中止3日後 ジクロフェナクナトリウム(25mg錠)服用開始。
中止5日後 ジクロフェナクナトリウム服用中止。(中止3〜5日後で計100mg服用)
中止6日後 発疹は増加を続け,さらに胸部症状が出現。
中止7日後 他院へ転院。入院時,白血球数18800/mm3,CRP18.9mg/dL,LDH315IU/Lで細菌性肺炎が疑われたためメロペネム三水和物を投与。同時に血液ガス分析をした結果,低酸素血症あり。(pH7.54,Pco236mmHg,Po255.5mmHg,HCO3-24.7mmol/L)夜間,呼吸困難を訴えたため酸素投与。
中止8日後 胸部CT撮影結果等から,薬剤性肺障害と診断。メロペネム三水和物投薬中止。
中止16日後 入院後9病日より炎症反応再燃。胸部X-Pで肺に陰影が出現。再び発疹出現。
その後,無治療で経過し,軽快した。
企業報告
臨床検査値
  
中止7日後
中止9日後
中止13日後
中止30日後
赤血球数(×104/mm3
405
368
393
384
ヘモグロビン量(g/dL)
12.6
11.9
11.7
11.4
ヘマトクリット値(%)
36.9
36.5
36.3
35.5
白血球数(/mm3
18800
8100
14000
5500
好酸球(%)
2.0
0
0
1.1
好中球(%)
78.4
70.4
89.8
65.9
好塩基球(%)
0
4.0
1.0
1.0
リンパ球(%)
8.0
13.0
5.0
27.3
単球(%)
2.0
4.0
1.0
9.0
血小板数(×104/mm3
29.3
26.0
29.0
29.5
AST(GOT)(IU/L)
25
ALT(GPT)(IU/L)
24
Al-P(IU/L)
223
LDH(IU/L)
315
γ-GTP(IU/L)
61
総ビリルビン(mg/dL)
0.5
BUN(mg/dL)
29
血清クレアチン(mg/dL)
0.93
尿蛋白
(1+)
(−)
尿糖
(−)
(−)
尿沈渣 赤血球
1-5/数視野
0-4/数視野
白血球
0-4/各視野
0-4/数視野
円柱
ガラス
血清Na(mEq/L)
135
血清K(mEq/L)
5.0
最高体温(℃)
39.2
血圧(mmHg)
82/56
脈拍数(回数分)
110

血液ガス分析
  
中止7日後
pH
7.54
Pco2(mmHg)
36
Po2(mmHg)
55.5
HCO3(mmol/L)
24.7
併用薬:一般用かぜ薬,一般用解熱鎮痛剤,ジクロフェナクナトリウム,メロペネム三水和物

(3)安全対策
これまでも,添付文書において,5〜6回服用しても症状が良くならない場合は,直ちに服用を中止し,医師又は薬剤師に相談するなどの注意がなされてきたが,これらの注意に加えて,まれに,間質性肺炎(空せき(たんを伴わないせき)を伴い,息切れ,呼吸困難,発熱等があらわれる。)の重篤な症状が起きることがあるので,その場合は直ちに医師の診療を受けることが重要である。
 また,これらの間質性肺炎の症状は,かぜの諸症状と区別が難しいこともあり,空せき,発熱等の症状が悪化した場合にも,服用を中止するとともに,医師の診療を受けることが重要である。
使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈アスピリン,アスピリンアルミニウム,アセトアミノフェン,エテンザミド,サザピリン,サリチルアミド,ラクチルフェネチジン,イブプロフェン又はイソプロピルアンチピリン等を含有するかぜの諸症状の緩和を効能又は効果とする一般用医薬品〉
[相談すること]

次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
服用後,次の症状があらわれた場合
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。
その場合は直ちに医師の診療を受けること。

間質性肺炎:空せき(たんを伴わないせき)を伴い,息切れ,呼吸困難,発熱等があらわれる。(これらの症状は,かぜの諸症状と区別が難しいこともあり,空せき,発熱等の症状が悪化した場合にも,服用を中止するとともに,医師の診療を受けること。)
厚生労働省引用

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