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| 陰茎がん:いんけいがん |
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1.陰茎がんとは
陰茎がんとは、陰茎に発生する比較的まれながんで、男性のがんの1%以下を占めるにすぎません。そのほとんどは亀頭に発生し、包茎の人に多く発生する傾向があります。60〜70歳代に多く発症します。最近、パピローマウイルスとの関連が注目されています。
2.症状
陰茎がんは、痛みを伴わないのが普通です。がんはまず陰茎の皮膚から発生しますが、進行すると海綿体や尿道にも浸潤(しんじゅん:がんが周囲に拡がること)し、排尿が困難になることがあります。がんが大きくなると潰瘍(かいよう)を形成したり、がんがくずれて出血することがあります。また、陰茎がんは鼠径部(そけいぶ)と呼ばれる大腿のつけ根の部分のリンパ節に転移しやすいので、進行すると鼠径部のリンパ節をかたく触れるようになります。これがさらに大きくなると、リンパの流れが悪くなって、足のむくみが出現することがあります。がんの発生場所のため、医師の診察を受けるのが遅れ、がんの早期発見の機会を逃して手遅れとなることが多いので、自覚症状があったらすぐに診察を受けることが大切です。
3.診断
肉眼的に見て診断がつく場合がほとんどです。しかし、確定診断のためには、局部麻酔をして病変部の一部を切除して顕微鏡で検査する(生検)か、病変部をこすってはがれた細胞を顕微鏡で調べる検査(細胞診)が必要です。陰茎によくみられる他の疾患、特に尖圭(せんけい)コンジローマという病気がありますが、これが大きくなると陰茎がんとの鑑別がやや難しくなるので、これらの検査が必要です。
その他に最も転移しやすい鼠径部のリンパ節の触診も重要です。
がんであることがわかったら他のがんと同様、胸部X線撮影、腹部のCT、エコーなどで他臓器に転移がないかを確かめる必要があります。
4.病期(ステージ)
陰茎がんは以下の病期に分類されています。
I期
がんが亀頭部のみ、あるいは陰茎の皮膚にのみに限局している。
II期
がんが亀頭部を越えて拡がっているが、転移がない。
III期
鼠径部のリンパ節に転移がある。
IV期
鼠径部を越えて骨盤内のリンパ節に転移がある、あるいは他の臓器に転移がある。
5.治療
陰茎がんの治療の主体は外科療法あるいは、放射線療法です。
1)外科療法
手術の適応があるのは、I、II、III期です。手術は全身麻酔をして病変部の切断と、鼠径部のリンパ節を摘除する操作(リンパ節郭清:りんぱせつかくせい)を同時に行います。場合によっては、さらに骨盤部のリンパ節も摘除することがあります。病変部から最低2cmは離して切断するため、当然陰茎は短くなります。陰茎を根本から切断し、尿の出口を会陰部にもってくることもあります。術後は鼠径部のリンパ節郭清の影響で、足がむくみやすくなる傾向があります。手術後は陰茎が小さくなり排尿が難しくなることがあります。また、そのままでは性交も難しいので、形成外科的な手法で人工的な陰茎を形成する手術を行うこともあります。
放射線療法の対象になるのは、比較的初期のがんに限られます。陰茎の形をある程度保てることが利点ではありますが、治癒する確率は手術に比べると落ちます。ただし、I期では手術と比較し、成績はほとんど変わりません。治療後に陰茎の変形や、尿道の狭窄(きょうさく)をきたすことがあります。転移による疼痛などの症状があらわれるため、放射線療法が選択されることがあります。
転移が認められるような陰茎がんは、抗がん剤治療の対象になります。シスプラチン、メソトレキセート、ブレオマイシンの併用療法がよく用いられます。また、II期、III期において、手術の前後に化学療法を併用し、手術成績の向上をはかる試みもされています。
6.生存率
がんが限局性である場合(I、II期)の5年生存率は90%、III期では30%です。IV期では、予後は大変厳しいといわざるを得ません。ただし、これらの数値はたくさんの患者さんの平均的な統計学的な数値であり、あくまでその傾向を示すもので個々の患者さんにあてはまるものではありません |
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